ホームページ作成で最初に決めるべき5つのこと
1. 目的の明確化
ホームページを作成する上で、最も重要かつ最初に決めるべきは、その目的を明確にすることです。何のためにホームページを持つのか、どのような成果を目指すのかが曖昧なままでは、デザインやコンテンツの方向性が定まらず、結果として効果の薄いホームページになってしまいます。
目的の具体例
- 集客(新規顧客の獲得、来店促進)
- ブランディング(企業イメージの向上、信頼性の確立)
- 情報発信(製品・サービスの紹介、ニュースリリース、採用情報)
- 販売促進(ECサイトでの商品購入、予約受付)
- コミュニティ形成(ファンとの交流、会員制サイトの運営)
これらの目的を具体的に定義することで、ターゲットとなるユーザー層が明確になり、彼らに響くようなコンテンツやデザインを検討する際の指針となります。例えば、集客が目的なら、問い合わせフォームの設置や、地図情報、電話番号などを目立つ場所に配置することが重要になります。一方、ブランディングが目的なら、企業理念や沿革などを丁寧に伝え、洗練されたデザインが求められるでしょう。
また、目的が複数ある場合でも、最も優先度の高い目的を一つに絞り込むことが、ホームページ作成の初期段階では不可欠です。優先順位をつけることで、リソースの配分や、機能の取捨選択が容易になり、より効率的にホームページを構築できます。
2. ターゲットユーザーの設定
ホームページの目的が定まったら、次にターゲットユーザーを具体的に設定します。誰に向けて情報を発信するのか、どのようなユーザーにホームページを訪れてほしいのかを明確にすることで、コンテンツの内容、デザインのテイスト、使用する言葉遣いなどが定まってきます。
ターゲットユーザー設定のポイント
- 年齢層
- 性別
- 職業・ライフスタイル
- 興味・関心
- 抱えている悩み・課題
- 情報収集の方法(PC、スマートフォン、SNSなど)
例えば、若年層をターゲットにする場合は、トレンドを取り入れたポップなデザインや、SNS連携などが有効でしょう。一方、ビジネスマンをターゲットにする場合は、信頼性を重視した落ち着いたデザインや、専門性の高い情報提供が求められます。ターゲットユーザーのニーズや行動パターンを深く理解することが、彼らにとって価値のあるホームページを作成するための鍵となります。
ターゲットユーザーを詳細に設定することで、ペルソナ(架空の顧客像)を作成するのも効果的です。ペルソナを設定することで、より具体的にユーザーの立場に立って、ホームページの設計やコンテンツ作成を進めることができます。
3. コンセプトとデザインイメージの共有
目的とターゲットユーザーが明確になったら、ホームページ全体のコンセプトとデザインイメージを固めます。コンセプトとは、ホームページで伝えたい核となるメッセージや、どのような印象を与えたいかという方向性です。デザインイメージは、そのコンセプトを視覚的に表現するための、色使い、フォント、レイアウトなどの具体的なイメージを指します。
コンセプトとデザインイメージの決定方法
- 競合サイトの調査
- 参考になるウェブサイトの収集
- キーワードによるイメージの言語化
- ムードボードの作成
競合サイトや参考になるウェブサイトを調査することで、自社のホームページの差別化ポイントや、目指すべき方向性が見えてきます。また、「信頼感」「親しみやすさ」「先進性」「高級感」といったキーワードでイメージを言語化し、それを基に色やフォント、レイアウトの方向性を定めていくのが一般的です。可能であれば、参考になる画像や色見本などを集めたムードボードを作成すると、関係者間でのイメージの共有がスムーズになります。
これらの要素を明確にすることで、デザイン制作の初期段階での手戻りを減らし、一貫性のあるホームページを作り上げることができます。コンセプトがしっかりしていると、たとえデザインの細部で迷ったとしても、常に原点に立ち返ることができます。
4. コンテンツの企画と構成
ホームページの目的、ターゲットユーザー、コンセプトが定まったら、次にどのようなコンテンツを掲載するかを企画し、その構成を考えます。コンテンツは、ホームページの「中身」であり、ユーザーが求めている情報を提供することで、目的達成に繋がります。
コンテンツ企画のポイント
- 各ページで伝えるべき情報の洗い出し
- ユーザーの検索意図に合わせたキーワード選定
- 文章、画像、動画などの形式の検討
- CTA(Call to Action)(行動喚起)の設置場所と内容
各ページで「誰に」「何を」「どのように」伝えたいのかを具体的に考えます。例えば、「サービス紹介」ページでは、サービス内容だけでなく、そのメリットや活用事例などを、ターゲットユーザーが理解しやすい言葉で記述することが重要です。また、ユーザーが検索するであろうキーワードを考慮し、SEO(検索エンジン最適化)の観点からもコンテンツを企画します。文章だけでなく、魅力的な画像や動画を活用することも、ユーザーのエンゲージメントを高める上で効果的です。
さらに、ホームページの目的達成に直結するCTA(例えば、「お問い合わせはこちら」「資料請求する」「今すぐ購入する」など)を、各ページに適切に配置することも忘れてはなりません。CTAが不明確だと、ユーザーは次に何をすれば良いか分からず、離脱してしまう可能性があります。
コンテンツを効果的に配置するためのサイトマップ(ホームページ全体の構造図)を作成することも、この段階で行うと良いでしょう。サイトマップは、ユーザーが目的の情報にたどり着きやすくするためのナビゲーション設計にも役立ちます。
5. 制作体制と予算、スケジュールの決定
最後に、ホームページをどのように制作するか、その体制、予算、そしてスケジュールを具体的に決定します。これらを事前に決めておくことで、プロジェクトを計画的に進めることができ、予期せぬトラブルを防ぐことに繋がります。
制作体制の選択肢
- 自社制作(内製)
- フリーランスへの依頼
- 制作会社への依頼
- ホームページ作成サービス(CMS)の活用
それぞれの制作体制には、メリット・デメリットがあります。自社制作はコストを抑えられる可能性がありますが、専門知識やスキルが必要です。フリーランスや制作会社に依頼する場合は、プロのクオリティが期待できますが、その分コストはかかります。ホームページ作成サービス(CMS)は、比較的安価で手軽に始められますが、デザインや機能の自由度に制限がある場合もあります。
予算については、デザイン、コンテンツ制作、システム開発、運用保守など、どこにどれくらいの費用をかけるかを具体的に検討します。そして、各工程にかかる時間を考慮し、現実的なスケジュールを設定します。特に、デザインの確認やコンテンツの校正には、余裕を持った時間を設けることが重要です。
これらの要素を初期段階で明確にすることで、プロジェクトの進行がスムーズになり、最終的に満足のいくホームページを完成させることができます。もし、これらの項目が曖昧なまま進めてしまうと、途中で予算オーバーになったり、完成が大幅に遅れたりするリスクが高まります。
まとめとして、ホームページ作成は単に見た目を整える作業ではありません。明確な目的意識を持ち、ターゲットユーザーを深く理解し、コンセプトに基づいたコンテンツを企画・構成し、それを実現するための体制・予算・スケジュールを計画的に進めることが、成功への第一歩となります。

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